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by shojiyukie
| 2012-04-25 13:23
| 環境住宅プロジェクト
5月14日の環境住宅プロジェクトの例会は山本工務店産学連携のパートナーである日本工業大学の成田健一先生をお迎えしての運びとなった
成田健一研究室 http://leo.nit.ac.jp/~narita/ ■ 山本工務店社長 ■ 一級建築士 Sさん ■ 経営コンサルタント Tさん ■ 一級建築施工管理技師 Hさん ■ 砂絵工房 YとK 今回の例会、現在進行していた建て替えの案件がいったん頓挫してしまった報告から始まった。これは我々の力不足と言うより、建て主様の個人的な事情により、白紙に戻った形で、親身に相談に乗って直接の窓口になっていたSさんは少なからず消耗して見えた。 しかし成田先生をお迎えすると、様々示唆や啓蒙を与えられることはもとより、我々の目も耳もはっきりしなかった頭もぐっと「解像度」が上がる感じなのだ。このことを実感しながら、お客様に仕事を提供できるということは本当にありがたく得がたいことだと感じる。解像度が上がった気分で、その上でお互いなにが提供できるのか楽しみたい。 もう評判になっていることと思われるが、フィンランドの核燃料廃棄物処理にまつわるドキュメンタリー映画「10万年後の安全」を成田先生はご覧になったらしい。 北欧は地球上でもっとも古い安定した地層を持っており、その奥深くに廃棄物を埋めて封印し10万年後の無害になるまでを想定して処理する。地震国の日本にはそのような古い地層は国土に無い。資源というと、エネルギーそのものを指すように思いがちだが、使ったエネルギーを安全に処理する能力も資源に含まれるのだ、というお話が強く印象に残った。 私たちはなにを持っていて、なにを持っていないのか? 成田先生はおっしゃる。 「確かに自然エネルギーは地球から搾取しない、しかしとても不安定不確定な要素はついて回る。いざというときのバックアップエネルギーを絶やさないように調整しながら運転していると、フル稼動しているより、かえってエネルギーを効率よく使えない側面も現段階ではあることを認識しながら進むべき。善悪の二極論で展開するのでなく、皆がリスクを負う覚悟と思考停止にならない強さを見につけることだね。絶対善にくくりこむことは安全神話を一枚岩で信じ込むのと同じだよ」 そして、さらに 「太陽光発電はこれから数年でぐっと技術的にも効率的にも進歩すると思う。でも太陽の光は自然のものだから不安定には変わりない。自然は別に人間のためにあるんじゃないから。」 そう、私たちは考えて、対話できる能力があるのだし、それこそが資源。 プロジェクトの住まい造りにも議論が交わされた。Sさんが 「自分では環境住宅プロジェクトの実感はあるんだけど、お客様にわかりやすくその「売り」を上手く説明できないんですよ。商品としてどのようにお目にかけるのか難しくて」 と意見を述べ、一同深くうなづく。 本当にそこが悩ましいところで、パッケージングされた目に見える商品を価格検討して購入するシステムに慣れた消費者意識には上手くアプローチできない。 それにも先生は 「環境ってさ、イコール「エコ」と思いがちだけど、本当はもっと広いものなんじゃないかな?たとえばご近所が上手く付き合っていける街も、いらいらしない生活スタイルの工夫も、今は建て替えにふさわしくないと判断するのも環境に貢献しているよ。これはお得ですよ~、エコですよ~、で売っといて、きちんとアフターケアもなしなんて環境配慮してるって言えるかな?商品を売るのではなくお客様と作品を作り上げることがプロジェクトの環境なわけじゃない?家って丁寧に作るとこんなに違うんだって事を皆で体験できること。上手く作ればクーラーなんて要らない家が産学連携なら作れるわけだし。 「え!?クーラー要らずってそれほんとっすか?」 「まあ、それは個人差があるけど(笑)でも、かなり近づける事はホント」 よしよし、やってやろうじゃないのということで、士気も解像度も上がったところで懇親会。ダイエット中の先生にも一杯お付き合いいただいて今日はおのおの宿題抱えてお開き。 #
by shojiyukie
| 2011-05-16 13:43
| 環境住宅プロジェクト
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